日本の海上輸送サービス会社である三徳船舶様が6隻の新造自動車トラック運搬船(PCTC)を発注された際の優先事項のトップはデュアルフューエルエンジンでした。排出ガス削減という環境目標をサポートするため、LNGの使用を希望されていました。本船に搭載されるLNG対応バルチラ20DFエルエンジンは、三徳船舶様が常用出力を供給する補機発電機として使用する際に、SOxとCO2排出量の削減に貢献します。
PCTCは自動車やトラックなどを輸送するために設計されています。三徳船舶様が発注された7,500台積み船の6隻は、2025年末と2026年初頭に引き渡される予定です。
コンパクトなバルチラ20DFエンジンは、従来の液体燃料(LFO、HFO、液体バイオ燃料)またはLNGを燃料とすることができ、高い燃料柔軟性をもつ補機発電機です。ガスモードで運転する場合、バルチラ20DFエンジンは二次排気ガス処理システムを必要とせず、IMO Tier III規制に適合します。
LNGによる運航は、SOxとCO2の排出を大幅に削減し、無煙運航を可能にします。三徳船舶様の新しいPCTCは、バルチラ20DFエンジンのアップグレードバージョンにより、出力が向上し、メタンスリップが最大40%低減します。
三徳船舶様がデュアルフューエルエンジンを採用する際の主な課題の一つに、乗組員がLNGでの運航に慣れていないことがありました。この課題を解決するため、バルチラは乗組員にトレーニングを提供します。また、本船にはバルチラNACOSプラチナマリンオートメーションシステムが搭載されます。このシステムは、状況認識能力を高め、安全性を向上させるとともに、船舶のあらゆる運航面をより詳細に制御できるように設計されています。
また、三徳船舶様はバルチラのエキスパートインサイトサービスを1年間試用する予定です。エキスパートインサイトは先進的な診断技術と人工知能を駆使し、船主様の効率向上と排出量削減を支援します。バルチラの専門家による診断により、不稼働が発生する等、大きな問題に発展する前に小さな問題を発見し対処します。
「今回の受注は、日本のPCTCオーナーからの初めての受注であり、これまでの関係者の皆様との協力関係は素晴らしいものでした。」とバルチラのマーケットイノベーションゼネラルマネージャー、森田茂登氏は言います。バルチラは三徳船舶様と密接に協力し、今後も協力を継続できる関係を築いています。例えば、三徳船舶様はRORO船の1隻から排出されるCO2を削減する必要があり、バルチラはこの目標をサポートするためにどのようなソリューションを提供できるか、例えばメタノールのような低炭素燃料での運航を可能にするかについて、現在協議を進めています。
バルチラ20DFエンジンによる補機発電機による排出量削減についてはこちらをご覧ください。
PCTCの6隻の船上で補機エンジンのLNGによる運転を可能にすることにより、温室効果ガスの排出を確実に削減する。
デュアルフューエル、IMO Tier III準拠のバルチラ20DFエンジン。
エンジンがガスモードで運転される場合、SOxとCO2排出量が低減され、さらにメタンのスリップが最大40%低減される。